モビリティとは何か?〜動作の質をつくる鍵〜

MOVEMENT

「ストレッチしてるのに動きがよくならない…」
そんな疑問を感じたことはありませんか?
それは“モビリティ”の理解が足りていないからかもしれません。

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この記事でわかること

  • 柔軟性とモビリティの違い
  • なぜモビリティがパフォーマンスを左右するのか
  • モビリティの評価法と改善アプローチ
  • 指導現場での活用方法

目次

  1. 1. モビリティとは何か?〜バドミントンにおける動作の出発点〜
  2. 2. なぜ「モビリティの欠如」が動作のキレを奪うのか
  3. 3. モビリティ評価のすすめ:動作の質を“見える化”する
  4. 4. 明日からできる!モビリティ向上アプローチ
  5. 5. 動作を変える:モビリティは“動きの再教育”である
  6. まとめ:明日からの行動

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1. モビリティとは何か?〜バドミントンにおける動作の出発点〜

「モビリティ(Mobility)」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。一般には「柔軟性」と混同されがちですが、両者は似て非なる概念です。

  • 柔軟性:静的な関節の可動範囲
  • モビリティ:自らの力でスムーズに動かす能力(関節×神経×筋力)

つまり、ただ関節が曲がるだけでは「動ける身体」とは言えないのです。

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モビリティの要素はこの3つ

要素 役割
関節構造 可動域の土台
筋力 自分で動かすパワー
神経制御 動作の滑らかさと反応

バドミントンでは、肩関節・股関節・足関節のモビリティが特に重要です。

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2. なぜ「モビリティの欠如」が動作のキレを奪うのか

モビリティが不足している選手には、次のような現象が見られます。

  • フットワークで動き出しが遅い
  • 減速や方向転換でバランスを崩す
  • フォームは綺麗でも「キレ」が出ない

これは、「可動域があっても使いこなせていない」典型例です。
可動性(mobility)と安定性(stability)はセットで機能しなければなりません。たとえば、股関節が動かないと腰椎が過剰に動き、腰痛の原因になることもあります(Cook, 2010)。

3. モビリティ評価のすすめ:動作の質を“見える化”する

まずは自分の動きの“クセ”を知ることが出発点です。

簡易チェック例

  • オーバーヘッドスクワット:肩・股関節・足関節の協調性
  • ハードルステップ:片脚支持時の安定とモビリティ

FMS(Functional Movement Screen)という評価法では、こうした動作を7項目でスクリーニングし、制限のある部位を特定します(Cook et al., 2006)。

4. 明日からできる!モビリティ向上アプローチ

モビリティを高めるには、静的ストレッチだけでは不十分です。動的に、かつ神経と筋を連携させるドリルが必要です。

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3部位別おすすめドリル

  • 肩:バンド付き90/90回旋モビリティ
  • 股関節:ワールドグレイテストストレッチ
  • 足関節:ニー・トゥ・ウォールテスト+前傾モビリティドリル

これらはウォームアップの中に組み込むと効果的です。10分程度でも“動ける準備”が整います。

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5. 動作を変える:モビリティは“動きの再教育”である

モビリティの改善は、一過性のストレッチではなく「動き方の再学習」として捉えるべきです。

  • 単に伸ばすのではなく「正しいパターンを繰り返す」
  • フォームを映像で確認し、脳と身体の認識を一致させる
  • 動作指導とモビリティトレーニングはセットで行う

この観点から、指導者は「技術」と「身体機能」の両面を見てアプローチする必要があります。

まとめ:明日からの行動

  • 静的柔軟性だけで満足せず、「自力で動かす」練習を取り入れる
  • スクワットやランジで自分のクセをチェックする
  • 肩・股・足関節のモビリティドリルを1日1つでも継続する

動きの質を変えるには、筋肉ではなく「動作」にアプローチする意識が不可欠です。今日の練習から1つでも取り入れてみてください。

参考文献:

  • Cook, G. (2010). Movement: Functional Movement Systems. On Target Publications.
  • Cook, G., Burton, L., & Hoogenboom, B. (2006). Pre-participation screening: the use of fundamental movements as an assessment of function. North American Journal of Sports Physical Therapy, 1(2), 62–72.

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